レクサスは、2月18日、オランダ・デン・ハーグで新型クーペLC500・LC500hを公開した。年明け間もない、デトロイトモーターショーで先行発表したモデルの市販モデルとなる。レクサスには既にRCというクーペがあるが、RCはBMWで言えば4シリーズに該当するミッドサイズクーペ。全幅1840mm、全長4695mmとなっており、BMWでいうところの6シリーズ、メルセデス・ベンツのSクラスクーペに該当するポジションの車ではなかった。そこに当たる車してLCはデビューする。かつてはソアラ(SC)だったポジションに当たる。
ボディサイズは、全長4760mm、全幅1920mm、全高1345mmとなっており、全長が4895mmの6シリーズ、5025mmのSクーペと比較すれば、まだまともな数値。
実際Lサイズクーペは販売台数こそ少ないが、一定のニーズはあるようで、それこそセダン並に全長のある車体に2枚のドアしかないというのは、無駄と感じる庶民な私には縁のない車かもしれない。
ボディは、RCのときに元TopGearプレゼンターのジェレミー・クラークソンが電気シェーバーと揶揄したグリルはそのままというイメージだが、”L”字を意識して切りあがるデイライトとクロスするヘッドライトや、リア周りもナンバープレートを囲むように台形のキャラクターラインがフロントのスピンドル・グリルの流れを強調し、それを軸に複雑なラインが交錯する挑戦的な造形だ。ブラックアウトしたクォーターピラーや、LFA譲りのサイドエアインテイクなど、今までのエッセンスを取り込みながら、確実に新しさを打ち出している。
素材についてもLFA譲りでフ、ロントサスタワー、フェンダー、ドア外板へアルミを、ドア内側、ルーフ、リア―ゲートにカーボン(CFRP)を使用して、軽量化とヨーモーメントの低減に配慮している。
ボディデザインは、主観によるところもあるのでこの辺にしておいて、注目すべきはパワーユニットとなるだろう。エンジンは、V8(5L/467HP)と、V6(3.5L/354HP)。ハイブリッドモデルとなるLC500hには後者のV6が収まる。
トピックとなるのは、まずガソリンV8モデル。エンジンは2UR-GSE。既にIS-FやRC-Fに搭載されているものに新開発の10速ATが採用される。欧州のAT多段化の流れに対し、若干遅れをとっている感があったが完全に一歩先にいった感じだ。LC500hのエンジンは、V型6気筒の2GR-FXSでRX450hに積まれているものと同様だが、LC500h向けに高回転向けにチューニングを施した。これに組み合わされるのは2モーターのハイブリッドシステムだが、トランスミッションにCVTではなく、有段ギアトランスミッションを組み合わせてきた。これにより、シフトチェンジの際のメリハリのある加減速、エンジンの回転数の上昇と車速が同調するスポーツカーらしさと低エミッションを実現している。エンジンそのものは、両グレードとも昨今のダウンサイジングからはずれてはいるが、それを補う技術を搭載してきた。
エンジンを搭載するシャシーもフロントミッドシップを実現する為にプラットフォームを新開発してきた。エンジンはフロント軸後方の正しくフロントミッドシップ。サスペンションは、前後ともにマルチリンク。相当にお金のかかった車だ。
当然のようにレーダークルーズや、ミリ派を使用したブレーキアシスト、レーンキープ、オートマチックハイビームなど至れり尽くせりの装備がつく。
日本での発売はまだ1年程先になりそうで、価格も公表されていないが、レクサスの意地で欧州クーペの牙城を崩せるか・・・








