MT車(マニュアル車)のクラッチとは何なのか? 大事な役目を理解しよう。

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クラッチっていったい何?

いまではない車も多いのですが、運転席の足元の一番右のアクセルペダルから数えて3番目。そこに大きなペダルがあったならば、それがクラッチペダル。それを踏むと働くクラッチって一体なんなのでしょう。

(ちなみに踏んだらそのまま固定されて動かなくなる場合、だいたい小さなペダルになると思いますがそれはサイドブレーキです。そのように足元にある車種もあります。)

要するにクラッチは

クラッチはエンジンの働きを車輪に伝えるためのデバイスです

エンジンの働きが車輪を通して路面に伝わって車が走り出すまでにはいろいろなデバイスが絡んでいます。そのうちのひとつ、クラッチはトランスミッション(変速機)とも深く関係しています。車が走行を始めることに加えトランスミッションを機能させるためにも必要不可欠なものです。

そのなくてはならないクラッチの操作が面倒だなとか、うまく使えないというドライバーのためにクラッチ操作のいらないオートマチックトランスミッション(AT)が作られて今では圧倒的に主流なのはマニュアル(MT)でなくATのほうです。

クラッチペダルがなければな!というこだわり

もっともこういう場合には「マニュアルでなければな」と表現されますが、このこだわりの表現、やや怪しいものになりつつあることをこの後で説明します。

いずれにせよ世間的には別になくてもいいものだと思われているのはオートマチック限定免許というものがあることでも分かります。略してオートマ免許という、この免許はクラッチを操作しなくてもいい車の運転に対する免許証のことです。

警察庁の最新の統計によると

2015(平成27)年の免許取得者は普通免許でいえば1,277,150名そのうちオートマチック限定免許は726,216m名。つまり約57%の人は免許を得る段階で自動車の運転ではクラッチを操作する必要はないものだと割り切っていることが分かります。

さらに劇的な状況なのは販売される車のAT比率は99%に近くMTの車は全体の1%強だということがウェブ上では定説になっています。

これは自販連という業界団体があって、毎月どんな車が売れているかなどの統計を出してくれていますが、その調査結果をまとめたと主張する現代ビジネスさんというメディアが作った表がこれの情報源となっています。

自販連は今は販売された車のAT比率の調査はしていないか、もしくは公表していませんので、この2000(平成12)年以降急速に高まったAT比率が2011(平成23)年以降どのように推移しているのかははっきりしていません。

自動車メーカーから感じる不自然な真実

ただこの数字を前提にするとちょっと不自然だなと思うことがあり、確かに各自動車メーカーのラインナップをみればクラッチペダルのついたMT車の設定は少ないか、まったくないかです。

となれば当然MT車の販売台数が少なくなるのは分かりますが、逆にいえばたった1%、2015(平成27)年でいえば登録車と軽自動車の販売台数の合計5,046,411台のうちの5万台あまりのために、枯れた技術とはいえクラッチを自分で操作する車を開発し続けるのか疑問に感じます。

これはひとつにはMTが設定されないとまるで売れなくなる可能性を考慮していることが原因、もうひとつにはMTのクラッチがとても合理的で簡便な仕組みだということが影響しているのだろうと考えられます。

例えばの話、マツダロードスター

クラッチペダルの付いたMT車がないとすればロードスターの売り上げには大きな影響がでるでしょうし、ロードスターの持っているステイタスは得られていないと思われます。

かといってロードスターにもっと複雑な、例えばデュアルクラッチのATを乗せて割高になってしまうのもロードスターらしくありません。

実際に売れているのもNDロードスターの場合で、マツダが発売1カ月後に発表したデータでは74%がMT車のほうだったようです。

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デュアルクラッチ(DCT)は何がすごいのか?もうMTは要らない?

トランスミッションがどうあれ必要なのがクラッチ

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一番の理由は車が停止して始動することを繰り返すものだから

クラッチはエンジンの働きを路面に伝えるものであり、路面に伝えるのを止めることができるものです。エンジンと車輪の接続を一旦切ることができなければエンジンを始動させるとすぐに車は動き出してしまいます。また車輪がまだ転がり始めていない抵抗が強い状態ではエンジンを始動させることが難しくなります。AT車であってもそれは何も変わりません。

MT車というのはシフトレバーを動かして使うギアを決める車というイメージがあると思いますが、正確にはドライバーが自分でクラッチ操作をする車のことになります。

クラッチ操作のないマニュアルトランスミッション

実際問題ドライバーはクラッチを操作しないけれども「マニュアルのような」シフトが存在します。これは多くの場合にパドルシフトという形で実装されています。ハンドルの裏についているレバーのようなものを操作してシフトチェンジをする仕組みです。パドルをカチカチと引いて操作すれば、すみやかにかどうかは別としてシフトチェンジしてくれます。

この場合にはパドルシフトレバーは単に電子的なスイッチに過ぎず、だからこそどこに設置してもよく、ハンドルの後ろにあるのは手をハンドルから離さずにシフトチェンジができるようにするためです。

パドルシフトの本家はF1マシンですが、F1のシフトレバーはステアリングと一緒に外せるようになっています。

古典的なマニュアルシフトの車

この場合はレバーはギアボックスに機械的につながっていてギアを直接操作しています。エンジン始動の時にエンジンを車輪と切り離す以外に、このギアを切り替える操作の時にもクラッチを操作してエンジンの回転と車輪(につながっているギアボックスの中の回転運動)を切り離さなければなりません。

いかに遊びを使うかテクニックのみせどころ

この時にクラッチの操作とギアの操作は連動します。クラッチを切るのはあまり難しいことではありませんが、つなぐ時にはいかにスムースにできるか上手なやり方というものはあります。それはいかに遊びを使うか、さらにはどうやって回転を合わせるか、そこがクラッチ使いのテクニックのみせどころです。

乱暴にやると当然消耗も激しいですからクラッチの寿命にも関係してきます。つまりはお財布にも関わってくることなのです。どのみちクラッチは交換が必要な消耗品ではあります。

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